アナスタシア・チェボタリョーバさんのインタビュー

2003.05.22


倉敷在住のロシア人バイオリニスト、アナスタシア・チェボタリョーバさんが5月23日広島で広島交響楽団とジョイントコンサートを行われました。

日本ユーラシア協会広島支部は前日の5月22日練習後にインタビューを行いました。

当協会のインタビューに先立ってRCCの番組インタビューがあり、今年から広島支部のロシア語講座入門を担当していただいている橋村さんが通訳をいたしました。インタビューを含めてコンサートの録画が7月にテレビ放送されます。
当然のことながら当協会のインタビューは放送されません。(冷笑)

テレビ放送の予定は以下のとおりです。

広島:RCC中国放送 7/21(祝月) 10:35〜11:30
岡山:RSK山陽放送 7/25(金) 10:20〜11:20
山口:TYSテレビ山口 7/23(水) 10:25〜11:20

ストラディバリの名器「Зубовский」と


アナスタシア・チェボタリョーバさん略歴:

オデッサに生まれ、4歳から家族とモスクワに移り、6歳でバイオリンをはじめる。
8歳のときに高名なバイオリン教授イリ−ナ・ボチコーワに才能を見出されその後モスクワ中央音楽学校を経て1996年モスクワ音楽院卒業、1998年同音楽院大学院終了まで同女史の下、一貫したロシアンメソッドの下に学ぶ。在学中には1989年パガニーニ国際バイオリンコンクール入賞、1991年ユベントス国際音楽祭入賞、1992年ルドルフォ・リピツァー国際コンクール優勝に輝く。1994年チャイコフスキー国際コンクールバイオリン部門で最高位を獲得、以来活発な演奏活動を開始し、ロシア国内はもとより、ヨーロッパやアメリカなど世界各地に招かれる。また、ラジオやテレビへの出演も多く、レコーディング活動も活発である。
1999年よりモスクワ音楽院のアシスタントプロフェッサー、また2000年くらしき作陽大学音楽学部に新設のモスクワ音楽院特別演奏コース特任教授として招かれる。現在は日本とロシアを活動の拠点とするユニークなスタイルで世界中で公演を行っている。倉敷市ではジュニアオーケストラや市民オーケストラとの共演など、地域との文化活動も積極的に行っている。日本国内ではテレビ番組やCMにも出演。フジテレビやNHKのメインテーマ局で演奏を担当、それらを収録したCDが発売された。2002-03シーズンは日本各地のオーケストラとの共演、リサイタルのほか世界各地に招かれている。
ロシア国家コレクションから特別に貸与されたストラディヴァリ”Zubowsky”(1729)を愛用している。

インタビュー

ストラディバリについて(RCCのインタビューに関連して)
A:一口にストラディバリといってもそれぞれのバイオリンが固有の特徴をもっています。
私のズボフスキィ(Зубовский)は明るく軽快な音に特徴があり、「天使の声」で(ангельским голосом)奏でてくれます。
ズボフスキィを貸与されて9年になりますが、非常に高価なものなので当初は歩いていても「ここでつまずいて倒れて壊したらどうしよう。」などとびくびくしていました。
Q:そのような高価なストラディバリにも耐用年数があると思うのですが?
A:300年を越えたものにはヒビが入ったりするものもありますが、そのようなものでも普通のものとは全く違う独特の何かを感じさせてくれます。
(ちなみにイタリアの楽器なのにというロシアの名前がついているのは持ち主の名前ということでこれは音楽界の常識だそうです。かくいう私はレニングラード(ペテルブルグではありません)留学時代にレニングラードフィルに出かけてはたっぷり睡眠時間をとっていた音痴です。)

Q:現在住んでおられる倉敷についてはどんな印象をお持ちですか?
A:日本の古い独特な街並みと雰囲気が気に入っています。
Q:日本の料理でお好きなものは何ですか?
A:3年間の在日で好みも変わってきました。
当初はウナギが好きでしたが、現在は寿司や刺身で赤身の魚が好きです。豆腐もおいしいですね。
Q:生魚は問題ないのですね。
A:ええ、全然。
日本料理は少ない量でたくさんの種類が出てくるのが楽しいですね。
Q:ロシア人には量が不足だという人もいますが?
A:ロシア人にも色々な人がいます。私には十分な量です。
Q:女性には少量のほうがいいかもしれませんね。(笑)
Q:ロシア料理が恋しくなることはありませんか?
A:最初のころはそういうこともありましたが、現在は慣れました。
Q:ロシア料理で好きなものは?
A:ボルシチです。
Q:サリャンカとか他のスープもありますが?
A:私は断然ボルシチです。
そのほかにはピロシキが好きです。
私の母が美味しいピロシキを作ってくれるものですから...

Q:最後に広島の皆さんに何かメッセージをお願いします。
A:広島については小さなころから原爆の被害について知らされており、非常に近しいものを感じます。
Я желаю всем Вам счастье, радость, успехи по работе и в жизни, доброту.
Q:ありがとうございました。
A:Спасибо.

  
教授という肩書きながら素顔は明るくて気さくなкрасавицаです。

これが噂のストラディバリ!!

広島の皆さんのために色紙を書いて頂きました。

楽器ケースの中にはイコンの写真。
取材当日は右端の聖ニコライの日でした。

 


○ ユーラシア協会広島支部のホームページに戻ります。